今、公共交通の分野をはじめ民間企業では、執拗なカスタマーハラスメントから従業員を守るために名札を廃止する動きが出ています。
民間だけでなく船橋市役所でも職員を「名前は覚えたからな」「SNSでさらす」などと脅されたり、千葉地裁が職員を無許可で動画撮影しネットにアップしたことを否定する判決を出したことなどから、市職員のフルネームでの名札を名字のみにすることとなりました。
厚労省が昨年度行った「職場のハラスメントに関する実態調査」によれば、カスハラをめぐる従業員からの相談は、パワハラ、セクハラに次いで3番目に多く、ハラスメント項目の中でカスハラは唯一、増加傾向にあります。
先日小売業の関係者からお話しを聞く機会がありました。対策が進んでこなかった背景に、
- お客様は神様であるという意識
- 悪質クレームの増加
- 働く側からの改善要望などの働きかけの不足
があるとしています。
私がかつて民間企業で働いていた時に経営者から「お客様は神様だけど、時に悪魔にもなる。卑屈にならず対等なパートナーシップを築く事が大切だ」と言われたことを思い出します。サービス提供側が理不尽な要求に我慢をしているのでは持続可能な業務はできず、メンタル疾患や離職にもつながりかねません。
カスハラと適切な改善要望との区切りは難しい面はありますが、東京都ではカスハラ対策の条例化に向けて具体的な動きが出ています。今後千葉県や国全体としても検討が進むことが求められると思います。少子化が進み就労人口が少なくなり、どの業界でも人手不足が言われている昨今です。働きやすい環境づくりをしていくことが、個人の幸せだけでなく社会全体の生産性の向上にもつながります。