公民館、体育施設利用料の値上げ・改定

値上げが計画されている船橋アリーナ
市民文化ホールや公民館も値上げの方向が示される

今議会では市内施設の利用料の見直しが提案、検討されています。中でも私が担当する文教委員会に、12条例(13施設程度)と多くの案件が出てきています。委員長の差配もあり通常であれば1日の委員会を3日間日程を取り、慎重審議が行われています。

Ⅰ、学校校舎改修の補正予算

  • 小学校改修費11億円 市場小、八栄小、高根小、海神小、三山小の校舎の改修など
  • 中学校改修費8.8億円 船橋中、七林中、八木が谷中、大穴中、古和釜中、三田中、旭中の校舎の改修など

初日12月5日はまず上記の補正予算が検討され、目立った質疑もありませんでした。学校トイレの改修などに関わるもので、議会でも早期改修が求められてきたので異論は無いのでしょう。問題は次の利用料・使用料です。

Ⅱ、使用料・利用料

今回の使用料・利用料の見直しの目的は、施設を税負担からより受益者負担で運用していこうということ、負担の公平性を目指して行われるものとされています。総額で結果として初年度5,000万円、3年後には1.6億円の行財政改革効果があるとされています。

1、プラネタリウム館

大人440→500円、高校生440→250円など大人は値上げ、学生は値下げ

2、公民館

講堂5,440→6,980円など多くが値上げになるが第一集会室600→590円など面積按分により値下がりするものも。

3、視聴覚センター

視聴覚ホール午前の部3,960→4,140円など多くが値上がり。
あまり市民には馴染みの無い施設かと思います。プラネタリウム館の隣にあります。→https://www.city.funabashi.lg.jp/shisetsu/bunka/0002/0003/0001/p011086.html

4、市民ギャラリー

第一展示場1,650→2,090→2,540→2,990円と3年間連続値上がり。

5、茶華道センター

第一茶室午前1,650→960円と値下がりするものが多いが第二和室午前770→1,090円と値上がりするものも。

6、一宮少年自然の家

料金区分を整理。小中学生330→380円に値上げなど全般的に値上がり。

7、青少年会館

学習室770→550円など多くが値下がり。体育館は3960→7,130円と値上げ

8、総合体育館(アリーナ)

メインアリーナ6,600→8,800→11,000→13,200円と3年連続値上げ。

9、武道センター

相撲場1,100→1,460→1,830→2,200円と3年連続値上げ。

10、運動広場(行田と高瀬)

○行田、大人2,310→3,080→3,860→4,630円と3年連続値上げ。

11、学校運動場夜間照明灯

○3,960→3,010円へ値下げ。

12、市民文化ホール

○ホール平日午前11,000→18,830→26,660円→34,490円と3年連続値上げ。楽屋などは330→230円など値下げ。

13、市民文化創造館(きらら)

○7ホール平日午前7,920→9,930→11,950→13,960円と3年連続値上げ。

の施設です。約6時間に渡って議論が重ねられました。

Ⅲ、委員会での議論を通した私の所感

私が特に疑問や問題と思ったのは、

1、船橋のスポーツと文化施策をどうしたいのか?

財政と政策はコインの裏と表だが何のためにサービスの持続可能性を図ろうとしているのか大きなグランドデザインがわかりにくい。大きな目標が見えない。

2、利用料が値上がりしても利用者数は変化しないという見込みに?

周辺市では料金を変えても長期的には利用者数に変化がないので本市も同様と推定している。利用料金の上げ下げによって利用者数が増減することはシュミレーションすらされていない。

3、料金を見直す前に充分な改善努力が行われていない

特に稼働率、40%を切る視聴覚センター、一宮少年自然の家、青少年会館、運動広場、夜間照明については目立った改善が行われていないにも関わらず、料金の見直しが図られていることが明らかになりました。大変正直な答弁でしたが、行革に対する順番が違うのではないか?

4、体育施設の2倍の値上げは乱暴ではないか。

総合体育館などの体育施設についてはこれまでスポーツ健康都市ということで割安となっていたが、公益性が下がったとして、2倍の料金を取ることとした。大きな政策転換です。

5、値上げの施設と値下げの施設があるのは分かりにくい

行財政改革をうたっているにも関わらず茶華道センターなどの利用料は下がる。

6、現行の料金の算定根拠が不明確

施設によっては現行料金の算定根拠がよくわからないまま、新たな料金が出てきている。 

7、長年施設の利用料が見直されてこなかったのはなぜか。

「プラネタリウムS62、視聴覚センターS62、少年自然の家S61」以来の改定。公共料金でいえば、私が小学生の頃の京成の初乗りは大人100円、現在は140円ですから長年放っておかれてきたと言わざるを得ない状況です。何十年もほっておいた料金を、半年で決めるのでしょうか。

8、担当部局は財政当局には強い異議申し立てをした形跡が見られないのはなぜか

きらら・文化ホール、武道センター・アリーナは2倍の利用料になる。2倍以上にならないように努力はした模様だが、それ以下は無理だと判断した模様。

9、議会への説明は正確かつ充分なのか?

議員への説明資料でも数値の誤りがあるなど充分に分かり易い説明が行われたのか疑問。

また他の委員からも、

  • 行財政改革を行うという危機感や緊張感が足りないのではないか。
  • 利用料金が上がった不満を一番受けるのは窓口。窓口担当課に市民に説明するの自覚はあるのか。
  • CSが欠けているのではないか。値上げとともに接遇などの改善をしないと。
  • 今やれる改善をしっかりとやって欲しい。
  • 他市と比較して安いから利用している人もいる。値上げで結果として総収入が減っては何のための行財政改革なのか。

と大変厳しい意見が出てきました。
今回の委員会では結論が出せないということで12月6日に教育長に委員会出席を願い、再度委員会で議論を深めます。料金改定によって1平米あたりの負担は公平になる、4年ごとに見直すという良い面もあります。しかし、委員会でも明らかになりましたが、分かり易い説明が行われたとは言えないと思います。

市長が提出した議案だからとか、親市長派反市長派とかいう低い次元ではなく、私たちも市民の皆さんに負担をお願いするのであれば、当然議決責任、説明責任が問われます。自信をもって市民の皆さんに説明できるかどうかが重要です。これだけ市民への影響があるものにしては、残念ながら生煮えの印象がぬぐえない状況です。

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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」