使用料は上げる、職員の報酬は上げるで市民は納得するのか?集中審議3日目

公民館、体育施設の料金見直しについて文教委員会3日目。午前10時から休憩をはさみつつ17時まで約5時間半の議論。
その一方で総務委員会では市の幹部、職員の報酬を上げていく条例が委員会で可決されました。

Ⅰ、各委員の意見

  • これまでどのような内部検討のプロセスを経て来たのか。
  • 市民、団体の声を聞いていないのではないか。
  • スポーツ施設の利用は介護予防になるのではないか。そういった点での検討はされているのか。→所管は教育委員会ではない。
  • 社会教育会議に聞いているの?公民館運営会議に聞いているのか?
    • 社会教育会議にはかけているが、公民館運営会議には話していない。体育協会には具体的な数字は示していない。青少年問題協議会でも議論していない。茶華道センター、文化ホールなどには運営会議のような外部委員会は無い。
  • 公民館など現在審議中ですという呼びかけもあるのではないか。
    • 行っていない。
  • 文化ホール、体育施設など2倍の料金になる施設については何かサービスが良くなるとかプラスαのことにつながるのか。どのような検討が行われたのか。
    • 文化ホールでは色々と検討している。
  • 数千人の行革をやめて欲しいとの署名が副市長に来ている要望書、陳情書が来ているのか?→副市長宛に来ている。
  • 使っていないときには占有施設であっても無料で使って良いとはどういうことか?受益者負担の原則との関係はどうなのか?
    • 再検証したい。
  • 市外料金の見直しはどうなのか。
    • 今後やっていきたい。
  • 料金改定前に最大限を努力を払ったのか、公民館における自動販売機設置は妥当性があるのか。見直しを行わないのか。
    • ※明確な答弁は聞き取れなかった。
  • 料金値上げの前に人件費の見直しなど行われたのか。
    • 今後の課題

Ⅱ、つまがりの主な質問

1、前回の質問から改善できることは改善努力をしたのか?

12月4日に稼働率、40%を切る視聴覚センター、一宮少年自然の家、青少年会館、行田運動広場、夜間照明については目立った改善が行われていないにも関わらず、料金の見直しが検討されてきたことが明らかになりました。改善努力は今後やっていくと言っていたが1週間で何か新たに検討しことがありますか?
→視聴覚センターから減免等の再検討というお話がありましたが、ほとんど無いのが現状でした。

2、答弁の姿勢について

答弁に詰まることが多いがきちんと想定問答など充分な準備をしているのか。→やっている。

3、それぞれの施設に年間どれくらい税を投入しているのか?料金改定によっていくら税負担が減るのか。


  • プラネタリウム館:税負担額3,184万円→令和4年3,154円 減少
  • 公民館:税負担4.4億円→令和3年4.3億円 減少
  • 視聴覚センター:税負担762万円 → 757万円 減少
  • ギャラリー:税負担額1,530万円→770万円 減少
  • 茶華道センター:税負担額485万円→520万円 増加
  • 少年自然の家:税負担額2,270→2018万円 減少 
  • 青少年会館:税負担額2036→2,062万円 増加
  • 総合体育館:税負担額2.6億円→2.2億円 減少
  • 武道センター:税負担額1640万円→令和5年935万円 減少
  • 運動広場:税負担額 1,413→1,380万円 減少
  • 照明:税負担額 552 →538万円 減少
  • 文化ホール:税負担額2,444万円 → 769万円 減少
  • きらら:税負担額1617万 → 633万円 減少

※数字については暫定です。本日委員会での口頭でのやり取りをメモ起こししたもので議事録が出次第あらためて精査します。

4、現在の各施設の利用者数は?

  • プラネタリウム2万3千人
  • 公民館13万5回、209万人
  • 視聴覚センター750件、3万人
  • 市民ギャラリー 153件、約9万人
  • 少年自然の家 2.1万人
  • 青少年会館 5万人
  • 総合体育館 39万人、24万人
  • 武道センター 8.7万人、3,700人
  • 運動広場 行田。2.6万人、高瀬5万人
  • 学校照明 5,300人
  • 文化ホール 18万人、
  • きらら 4万人

5、11月に入ってからいくつぐらい市民からの陳情が上がっているのか?

市民文化ホールについて1件。行財政改革全般について1件。

6、減免制度について厳格に運用して欲しい。

現状のままで良いとのこと。

Ⅲ、つまがり所感

現在の税負担額や利用者数といった基本的な事を聞いても即座に答えられる場面と、初めて数字をはじいたところもあるようでした。多角的に質問を想定する、内部で充分なブレーンストーミングがなされているのか心配になるやり取りでした。

市民の意見を聞きすぎると料金値上げができないといった趣旨の発言がありました。市民の皆さんも値上げ=反対ではありません。テニスコートの昼間料金はもっと上げて良いよという声も週末に聞きました。役所も私たち議会も市民の声を未だ充分に聞けていないと思います。

暖簾に腕押しというか、3日目で徒労感があります。役所の皆さんは、うるさい議員だ、職員いじめだ、と感じているふしがあります。議員を個人で見るのは違うと思います。議会は「市民」の最大公約数というか、縮図です。いろいろな市民がいるように、いろいろな議員がいるからこそ多様な市民を代表できるのです。そこに議会の強みがあります。

今議会は負担を決める話であり、議会の本務です。議会の歴史的な成り立ちはイギリス革命、フランス革命、アメリカ独立戦争、日本では納税額と制限選挙→普通選挙というように、税や負担のことは特に議会が決めることです。かつての与党税調のドン山中貞則議員は「税とは政治である」という言葉を残しています。負担を決める話から議会が逃げれば歴史的な存在意義に背を向けることになります。

受益者負担の適正化ということで利用料の見直し(その多くが値上げ)が検討されています。そのきっかけは行財政改革であり、年間▲30億円で何年か後には予算が組めななくなるおそれがあるということでした。その方向性には同意です。でも同時に職員給与や市の幹部給与を上げる条例が提案されています。「利用料は上げます。でも私たちの給与は上げます」で説明がつくんですか?経営が大変な会社で役員や従業員の給与を上げるところがあるのでしょうか?

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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」