チームつまがり2019統一地方選挙 第3回 ~いざ出陣! 津曲陣営の戦略とは?~

レポすけ:政治家を志す理由、そして政治家として目指す道を示していただいたところで、3期目となった今回の統一地方選2019について振り返っていただきましょう!

レポすけ:まずはご自身で実際に駅頭や街宣車、ポスター貼りなどで体感した選挙戦を振り返って、たとえば地域によって選挙に対する温度差や格差など、どう感じられましたか?

津曲:これまでは自宅や事務所、出身中学の地域を中心にしていました。政党公認ということでより広域に潜在的な支持者がいると仮定して、4倍ほど活動地域を広げましたので、より船橋全体を感じることができました。

レポすけ:4倍!意外と広がるもんですね。結構あちこち回られたんですね。

津曲:昼間宣伝カーに乗って感じていたのは、船橋の西側やJR沿線では子どもとそのお母さん達が圧倒的に多いという点でしょうか。ベテラン世代の多い地域で活動していると手を振ったり、してくれることはありますが、この地域では目に見える反応はあまりありません。
ですが、宣伝カーを降りてマイクで訴えお一人お一人に政策チラシを配っていると反応は悪くありませんでした。
そこで『マス(mass)』に訴えるのではなく『あなた』に訴えていけば同世代にも響いていくのではと感じたんです。

〇住宅街をこまめにまわる

レポすけ:どこに訴えているかわからない声よりも、人の顔見て訴える声の方が届くにきまってますものね。

津曲:そのことで印象的だったのことがあります。
投票者を『あみだ』で決めていたという20代のお母さんの話です。

レポすけ:あみだ!(笑)その辺詳しく聞かせていただきますか?

津曲:その方はこう言いました。

「この地域には市議さんもいないし、でも投票に行かなきゃなとあみだで決めていました。あなたは宣伝カーから降りてきたね。あなたは私たちに何をしてくれるの?」

“何をしてくれるの”という語りかけだけを切り取ると一種の利益誘導にも聞こえるかもですが、私は「あなたは何をしたいの?」という本質的な問いだと感じて「障がいとこども」のこと、とお話しました。

レポすけ:その方のリアクションはいかに?

津曲:「ふーん」という反応でしたよ。これはわずか1分にも満たないやりとりでしたが、色々と考えさせられる出来事でした。

レポすけ:でもその気づきってとても大切ですよね。

津曲:今、市の幹部の皆さんは「船橋は人口が増えている、増えている」と言います。それは全体としてそうなのですが、地域によって実情は異なります。
市内で早く開発が行われた新京成線沿線やUR団地では子どもが減り、学校の統廃合の話が出たり、空き家や介護の問題が山積みです。JR沿線行や船橋西部では工場の撤退跡や企業の寮の後に、大規模マンションが新築され、学校や保育園の新設が望まれています。
鳥取県よりも人口が多い64万人市民の船橋ですから、市民のニーズも多様です。思い切って疑似的な区政を引いていくなどよりきめ細やかな対応が必要だと思います。

レポすけ:確かにそうですね。目についた事だけ問題提起では誰に投票していいかわからないと思います。船橋も広うございますし(笑)
地域やニーズにあった問題提起をした方が耳を傾けてもらえますよね。
さてさて、そんな三期目の選挙戦。
事前に「今回はこう戦おう」みたいな戦略はありましたか?またイメージ通りにコトは運んだでしょうか?

津曲:「つまがり」がやる選挙→「チームつまがり」の選挙へ、というものです。
象徴的な話として、選挙事務所のことがあります。
過去二回の選挙では二か月ほど前に選挙準備の事務所を設け選挙に臨みました。
しかし私自身ほとんど事務所にいないので必要ないと思っていたんです。
なので「皆さんが必要と思えば設置するし必要なければ設置しないことでどうでしょうか?」と提案しました。

レポすけ:準備段階でそんな話があったんですか。

津曲:予想以上に多くの皆さんが事務所必要論を唱え、私の提案は見事に否決されました(笑)

レポすけ:チーム強し(笑)

津曲:いや、もう、頼もしいチームです(笑)
軌道修正していくつか事務所の選択肢を探しました。予定より時間がかかりましたが、候補者のみが決めるではなく、チームとして重要な決定に関わる、という形ができました。

○100人を越える方に来ていただいた事務所開き

レポすけ:そういや、選挙ポスターも事務所ミーティングで決めていましたね。

津曲:あれもう、最初から容赦なくダメ出しの嵐でしたからね(笑)
レポすけ:レポすけもポスター決めの現場に同席してましたが、最初は「えー。皆さん容赦ない」と思いつつ、最終的にはレポすけも遠慮なく皆さんと一緒にダメ出しさせていただきましたよ。

津曲:でもチームの皆さんのおかげで、いい選挙ポスターに仕上がりました。
今後もアリですね(笑)

レポすけ:おっと話が逸れました(笑)すみません。
選挙事務所の話でしたね。

津曲:その後も事務所当番のリーダーは決めましたが、私としては過去2回の選挙戦での経験からムリをして欲しくないので、事務所当番がいない日には事務所は閉めるということにしました。
ところが、その状況をみかねてか、事務所当番をしてくれる方々が手を挙げてくれたんです。結果として3/10に事務所開きを行い、その後9時~17時、選挙期間中は、7時~21時頃まで事務所を開けていただいたんです。

レポすけ:あ、最初は「閉める日」も予定にあったんですね。

津曲:皆さんのアイデアと尽力で、私の知らないうちにどんどん事務所内の姿が変わり、また自主的な取り組みも始まり、事務所の雰囲気もとても明るく多く、皆さんの集っていただく「たまり場」になれたのではと思います。

レポすけ:つまがり事務所はレポすけも通ってましたが、選挙事務所というよりもサロンでしたものね。

○事務所にお越しいただいた方の願いを書き込んだ「つまがりtree」

津曲:「サロン」お褒めの言葉ですね(笑)
もう一点は産業革命では無いですが、「家内制手工業」→「工業制手工業」へ。というものです。1期目はある種、創業期ですから、少人数で家庭的な、雰囲気の中で始まったと思います。これがなければ今の私もありません。今は亡くなられてしまった方や加齢とともに今回の選挙に参加できなかった方もいて、寂しい想いもあります。
2期目3期目となっていけば多くの人、様々な世代、背景を持つ人が集まる社会の公器へと変化をしていきます。誰が納得感を得やすいオープンで多様な人が参加できる場、そしてしっかりと議論のもとに物事を進めていくことが大事です。意思決定のプロセスを明確にすることで多くの人の協力が得られていくのではないでしょうか。
3期目の挑戦では、特に公平、オープンを心がけていました。

レポすけ:風通しの良さは感じてましたね。
そんな「つまがり事務所」と言えば「チームつまがり」
チームづくりに関して気を付けたことなどがあればお答えください

津曲:「仕事」に人をはめるのではなく、人に「仕事、役割」を充てていくということを心がけた…つもりです(苦笑)多くの日本の大組織体はオールラウンドプレイヤーを求め、仕事に人をはめます。それが働く現場の窮屈さ、ひいては創造性や自主性の低下を招いていると思うのです。働く報酬には賃金があるのである程度我慢して皆働きます。
私も役所という大組織で勤めていましたのでよく分かります。
しかし選挙はボランティアですからこれは通用しません。
どうすれば皆さんがやりがいを持って活き活きとやってもらえるのか、そのためにはそれぞれが得意な事をお互いに見つけ、自薦他薦をしてもらっていくのが良いのではないでしょうか。
私はそれが新しい社会の姿であるとも思っています。

レポすけ:つまがり事務所では老若男女問わず、津曲さんを中心とした一体感
をとても感じましたが、例えば古参の人達が新規参入の人達にしっかりと仕事を任せてくれる、そして知恵を与えてくれる。新規の人はそれを受け入れ、古参の人も巻き込んで新しい仕事のカタチを作って行く、まさに「つまがりのつながり」で得られた「和」だと思います。
しかも選挙終わっても皆さん仲がいい(笑)

津曲:ありがたいことです。そして皆さん製造物責任では無いですが私のことを見守りつつ、チェックしてくれていると思います。人間誰しも1人だけでは頑張れません。誰かが見てくれているというのは緊張感も出ますがありがたいことです。

レポすけ:さて。今回の津曲さんの選挙戦、もう一つの特徴といえばSNS
の活用でした。確か以前はそんなにSNS発信は活発ではなかったと思いますが何かきっかけはあったんですか?

津曲:実は短い期間でしたが、ITに近いところで働いていましたので、SNSが持つフリー、オープン、双方向という民主主義のアップデートに繋がる機能には注目はしていました。

レポすけ:そうだったんですね。

津曲:ですが地方議員たるもの「どぶ板」が基本だと思い行動していました。そんな中で今回SNSを強化したきっかけがあります。
それは2018年11月のこと。選挙の半年前ぐらいに行ったつまがり独自の市民アンケートです。正直いろんなレポートを出しても反応がなくてちょっとすれていた時だったかもしれません(苦笑)

レポすけ:リアクションないとちょっと心折れかけるのは超わかります(苦笑)

津曲:街頭などでも「そんな配り方ではティッシュ配りのお兄ちゃんと一緒だぞ。ちゃんと演説しろ!」とゲキを頂くこともありました。
もちろんティッシュ配りも大事なお仕事ですが、おそらくこの方が言いたかったのは「メッセージ性を持て、私たちは見ていないようで見ているぞ」ということだったと思います。
また政治へのしらけの原因は「主張の前に私たちの声や意見を聞いているのか?」ということだとも感じました。
やり方を変えていこうと思い、市民アンケートにQRコードを付けて配布しました。結果、100件近い回答があり、その半分以上がWEBを通じた回答でした。

レポすけ:あ、この回答結果は「つまがり俊明公式HP」でご覧いただけます。

津曲:ぬかりない宣伝ありがとうございます(笑)
その結果を受けて、工夫をすればまだまだ市民の皆さんは意見を言ってくれると感じたんですよね。
そこで一工夫しようと思いSNSの強化に至ったのです。
幸い、WEBに強い同世代がアドバイザー&拡散を担ってくれました。
市民アンケートのWEB活用の成功経験があったので、正直私には分からないアドバイスも素直に聞くことができたと思います。
これまではFacebookの発信をちょこちょことだけでしたが、Twitterも毎日更新を心がけました。YouTubeも初めて挑戦しました。
もちろん、リアルも含めて限られた時間の活動ですから、WEBアドバイザーの友人たちからすると私のSNS発信は30点くらいだったかもしれませんね(笑)

レポすけ:いやいや。がんばって発信されてましたよ?
で、SNSを使った選挙戦について1期目や2期目と違った手ごたえは感じました?

津曲:そんなに簡単に「友達」「いいね」「登録者」は増えませんし、コメントが急ににぎわうこともありません。
ただ、私が早朝から駅立ちを準備してくれているところを、高校生が「朝から頑張っている」ツイートをしてくれたのを友人から見せてもらった時はうれしかったですね。
また知人からも「昨日は〇●駅に立ってたんだね。SNS見たよ」と言われると、コメントはしていなくても見てくれている人がいる、久々にあった知人友人ともSNSにアップしていたことから会話が始まる、と言った良さを感じました。
おそらく多くの皆さんはSNSでもサイレントマジョリティなのだと思います。

レポすけ:特に日本人はその特性が強いですよね。本名、匿名に関わらず。

津曲:「いいね」も「コメント」もしないけどスクロールしながらちょこちょこ見てくれている、ということですかね。
それは若い世代だけではありません。今や私たちのお父さんお母さんより上の世代の皆さんからも「見ているよ」という声がありました。
後はチームつまがりでもなるべく本人以外が写真や動画を撮ってSNSで共有しようという動きもあり、チームの一体感をつくるのに一役も二役も買ったと思います。

レポすけ:候補者本人を含めたチームの動きをチームで共有することはオンタイムで非常に役立ったと聞いています。レポすけは主にチームの外へ発信していましたが、大変な中でも、和気あいあいと楽しく、そしてキメるとこはキメて活動するチームの姿を一人でも多くの方に知ってもらいたかったんですよね~。

津曲:おまけですがYouTube大好きなうちの子供たち(小学生)がワクワクして私の動画を見たら「再生数が1けただったよ。お父さんやばくない」と真顔で言われました。今では笑い話です。

レポすけ:ユーチューバーは数とってなんぼですからね。お子様が真顔で心配するお気持ちもわかります(笑)

津曲:SNSがすべてではありませんが、時間、空間、世代を越えて繋がる可能性を感じました。

レポすけ:その他、駅頭や街頭演説などで感じたことをお願いします。
駅頭の後の豆大福はたまらん。とか。

津曲:11月から4月まで155日間断酒をしましたので甘い物が恋しくなりましたね。豆大福にはお世話になりました(笑)豆大福、語りますか?

レポすけ:すみません。つい(笑)豆大福の話で盛り上がる前に軌道修正します(笑)

津曲:寒い冬のさなかに多くのボランティアの皆さんに駅頭に一緒に立ってもらいました。立憲民主党公認の影響か、街頭で女性からの反応は極めて良かったです。一方で私のお父さん世代の方々が「絡んでくる」ケースが増えた気がします。残念なことですが私ではなく女性や学生のボランティアさんに絡むんですよね。そういった場合は私がすっと間に入ります。おかしいと思うところは大人げないかもしれませんが、反論します。

○駅頭は真剣勝負の現場、対話を心掛けました。

○駅頭は真剣勝負の現場、対話を心掛けました。

レポすけ:悲しいことに、ホントにいるんですよね。その手の方。

津曲:私が罵声を浴びせられることはありますが、毅然とした態度をとると走り去っていくケースが多いです、おそらく票が欲しいだけだから何を言っても大丈夫なサンドバックとでも思っている人もいるのかもしれませんね。
大人しいサンドバッグと思ったら口を開く人間だったわけだから驚いて走り去っていくのもやむを得ないかもしれませんね(笑)

レポすけ:反論を想定してなかったんでしょうね。

津曲:選挙期間中になるとどうしても広報中心になりますが、私や駅頭や街頭活動の基本は双方向コミュニケーション、対話だと思っています。
ですので真剣、深刻なご意見やご相談だなと感じればチラシをまく手を止めて、マイクを止めてお話を伺うこともあります。
込み入った事情なら名刺を渡して後日連絡してほしいと伝えます。
駅頭や街頭活動を単なるPRやパフォーマンスだという意見もありますが、やり方次第で駅前市民相談にも広聴活動にもなります。
駅頭や街頭は設営する時から人の目を意識するべき「舞台」ではないでしょうか。
大人げない自分になってしまうこともありますが、双方向コミュニケーションの真剣勝負の場だと思っているのでお許しいただけたらと思います。大体、分別のある大人であればそもそも選挙など出ませんよね(笑)葉隠に「死に狂い」が大切という一説があります。ここ一番では分別、計算を越えて一歩踏み込むことも必要だと思います。

ご意見をお寄せください
つまがり俊明の政策・実績はこちら

この記事を書いた人

つまがり俊明 スタッフ