チームつまがりの2019統一地方選挙 第4回 ~三期目のスタート 政治家津曲、これから進むべき道を示す~

レポすけ:晴れて当選し、市議三期生としてスタートしたわけですが、ここでまず、選挙期間中に訴えてきた公約を教えてください。

津曲:政策は「障がいと子どもたち」です。政治姿勢は「現場第一をモットーに右でも左でもなく前へ」を訴えました。

レポすけ:船橋市内でもいろいろな問題や課題がある中で、なぜ「障がいと子どもたち」をフォーカスしたのでしょうか?

津曲:大学生1年生の時のことですが、学校近くでボランティア団体で障がいのある子と無い子が一緒になって遊ぶ場に足を運びました。子ども達と遊び、接するボランティアをし続けた経験が大きいと思います。母も現場の保育士として障がいのある子ども達と接していました。私も恥ずかしいことですが、初めは偏見や違和感がありました。接していくと、小さな子ども達も障がいのある人もコミュニケーションの仕方が違うだけで同じ人間であり、考える想いは同じです。家族想いだったり、楽しいことは楽しいし、嫌な事は嫌なんです。可能性だって無限なんです。保護する対象ではなく、その可能性をお互いに引き出し合っていきたいと思います。

○学生時代の私。学業は…でしたが多くの学びをもらいました。

レポすけ:「障がいと子どもたち」についての政策は1期目から訴えてました?

津曲:障がいを抱える親族がいましたので、我田引水になってはいけないと思い控えていた時期もありました。2期目からは障がい者雇用や福祉に関わる仲間との出会いの中で、当事者家族だからこそ発信するべきだと思いに変わりました。

レポすけ:確かにそうですよね。当事者からの発信が、当事者の救いとなるケースもありますし。

津曲:ただ難しい側面があるんですよね。例えば、建設会社の社長さんが道路整備を訴えたら、必ずしもそういう意図でなくても利益誘導と言われますよね。教育や福祉だって同じことに陥る可能性はあるわけです。

レポすけ:ああ…こーゆうのがあるから政治ってのはややこしい…(苦笑)

津曲:大切なのは個別利益を訴えるのではなくて、”障がいのことをやることが社会全体の利益になる“という「広がり」を意識しました。

レポすけ:ほほう。広がり、ですか。

津曲:障がい者雇用を例にとりましょう。

「今人手不足が言われています。そして社会保障費の増大も課題です。障がいのある人も適切にサポートすれば働ける人がたくさんいます。そして働きたい人、自分が自由に使えるお金が欲しい人もたくさんいます。障がい者雇用が進めば、障がいのある人も幸せになり経済的な自立にもつながります。雇用者も人手不足が解消されます。社会保障費が浮けば、そのぶんをより重度の障がいの人に手厚くできます。」

そういった広がりを意識しています。

レポすけ:なるほどわかりやすい。…でも街頭で訴えるには長くないですかね。これ。

津曲:そのとおりです(笑)
通り過ぎる人の耳を引くには分かり易いキーワードが必要です。「障がい者雇用の水増し」や「児童虐待と障がいの関係」などです。それから理念を伝えるようにしました。

レポすけ:街頭には時事ネタとの合わせ技も重要、ということですね。
耳に訴えるというか。

津曲:これはボランティアさんとマイクリレーをする中で、とあるボラさんの言葉をパクらせていただいたのですが、「障がいのある人もない人も、共に暮らし、共に学び、共に働けるまちを、社会をつくろう!」というものです。

レポすけ:パクらせて(笑)まさに街頭演説もチームつまがりですね。

○選挙戦最終日の街頭活動

津曲:私は街頭演説のマイクリレーを通して、訴えがフュージョンしていくと思っています。

レポすけ:ほー。その心は?

津曲:松下幸之助さんの言葉に「生成発展」というものがあります。万物は常に変わり発展をしていくものであるという意味です。有権者の気持ちも日々変わるものであれば、こちらも理念の軸はぶらさずにでも伝え方は変えていくのは当然だと思います。

レポすけ:「理念の軸はぶらさずに」という所がポイントですね。そこまで変わっちゃったらブレブレの政治家になってしまいますし。

津曲:それから普段から駅に立っていると実は多くの障がいのある方々に話しかけてもらえます。素直な心の持ち主が多いのです。障がい者雇用のことを訴えていると、そっと精神障がいの手帳を見せながらにっこりされたこともあります。船橋の人口64万人のうち障がいのある人は3万人とも言われています。ご両親が健在であれば9万人。実に市民の7人に1人が当事者あるいは近しいご家族です。

レポすけ:そう考えると、障がいのことは非常に身近なことなんですね。

津曲:でも私達の社会の中ではなぜか見えない、「いないことになっていませんか?」と、私は訴えたいのです。ロンドンで職人の修行をしていたある友人がいっていました。「まちに当たり前にダウン症など障がいのある人と出会う。日本はまだまだですよ。」差別や偏見は、人への憎悪よりも「知らない」ことから始まると思います。「愛の反対は無関心」という言葉もあります。その通りだと思います。柔軟な心を持つ子どもの時からお互いが知り合えば、世の中の多くの差別や偏見は消えていくのではないでしょうか。

レポすけ:ごもっとも。知らないことによって、本質を見ようともせず、差別の潮流に乗ったり、知ろうともしないことが当たり前になって、見えない分厚い壁を作ることになりかねません。
「悲しいけれど、これが現実なのよね」なんてあきらめる前に、津曲さんが政治家として何か打つ手はあるのでしょうか。

津曲:具体的な政策としては特別支援学級を全ての小中学校にと訴えました。知的障がい、自閉情緒障がい、学習障がい、聴覚障がいなどを抱えている子ども達を支援するための多様な場が必要です。その子の特性に応じて、船橋市では市立特別支援学校、地域の小中学校内の特別支援学級、そして普通教室に通いながら通級指導を受ける通級指導教室があります。

レポすけ:おー、意外と細かくカテゴライズされているのですね。

津曲:政令市以外で特別支援学校を市立で持っているところは少なく、本市の誇りでもあります。

レポすけ:市でそーゆうサポート体制があると親御さんも安心ですね!

津曲:一方で特別支援学級については遅れが見られます。まだ半分の小中学校にしか特別支援学級が設置されていない、結果特別支援学級に通う半分の子ども達は学区外から通うという負担があります。

レポすけ:え。そうなんですか。全部の学校にあるもんだと思いましたけど。

○公園で聞いた当事者の親御さんの言葉。

津曲:こんな事もありました。午前中公園の前に宣伝カーを止めて、障がいと子どものことを訴え、ある親子のもとにつまがりレポートを渡しに行きました。

「この子は知的な障がいあります。特別支援学校に通わせようと思うのですが遠いんですよねえ。」

お迎えの巡回バスを市では用意していますが、親御さんの心配や地域でのつながりを考えれば、地域の小学校の支援学級で学べるという選択肢もあってしかるべきではないでしょうか。また近年インクルーシブ教育ということが言われています。障がいのある子と一緒にいると障がいのない子どもたちはより優しくなれると思います。多くの親御さんたちは優しい子に育って欲しいと思っているのではないでしょうか。

レポすけ:あ!それ知ってます!インクルーシブ教育って「子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障がいの有無にかかわりなく、誰もが望めば自分にあった配慮を受けながら地域の学校で学べることを目指す」ってことですよね。

津曲:そうです。そのことです。

レポすけ:この考えがもっと広がるといいなと、レポすけも思ってました。
そんな多様性のある社会を目指す公約を実現するために、いましている事、取り掛かる事、やってみたい事など現在の津曲さんが「何をしている」のかを教えてください。

津曲:障がい者雇用を行っている企業さんから、「障がいの特性を活かすことは大切であるがそれ以上にこれまでの成育歴、小さい時に集団でどう過ごしたかが働き続けるために大切」と言われたことがあります。今小さい時の教育の重要性が言われていますが、それは障がいのある子もない子も同様です。

レポすけ:教育の過程、ですか。確かに、自身を振り返る時に子ども時代の経験って必ず思い出しますし、その時何を経験してるかによって、今の自分に活かされている、っての、結構ありますからね。

津曲:6月の議会では「特別支援教育のうち特別支援学級」について取り上げました。全国的には全校設置の方向なのになぜ本市は半分なのか、他市の動向は把握しているのか、増やしていくスピードがゆっくりなのはなぜなのか、といった内容です。

○6月議会で取り上げた特別支援教育

レポすけ:その質問、レポすけも「船橋市議会HP」の議会質問の録画中継で余す事なく見ました。あ、記録は残ってますのでどなたでもご覧いただけます。

津曲:またしてもさりげない宣伝(笑)
その時、意識したのは議員、そして教育委員会以外の他の部署の市の幹部との課題の共有です。教育委員会の担当課の方には残念ながらかなり嫌がられたのではないでしょうか。

レポすけ:役所側に嫌がられると、後々やりづらくなったりするんじゃないですか?

津曲:議員は時に役所に嫌がられても、逆に市民に嫌がられても訴えなければいけないことがあります。役所も市民も私も時に間違えます。人間がやる事ですから。そしてそれは誰かに指摘されて初めて気付きます。私は市民から指摘を受けますが、行政には無謬性(誤りがない)という前提がありなかなか軌道修正できない。それを議員に指摘されることで変えやすくなるのです。

レポすけ:なるほど。議員さんの役割にはそんな側面もあるのですね。

津曲:私も行政の中にいたから分かります。よく「市長与党」だから役所に文句いうなどと言っている地方議員さんが未だにいるようですが、二元代表制や政治の役割をどう考えているのでしょうかと心配になります。

レポすけ:「市長与党」(笑)
それで役所の変化はありますか。今の現況を今後はどう進めていくのでしょうか?

津曲:目に見えた変化はすぐには起きません。ただ担当部署には4年間この分野は取り上げますよとお伝えしておきました。追及一辺倒の北風ではうまくいきませんので、例えば発達障がいやグレーゾーンの子どもたちを受け入れる特別支援学級があれば学校運営上もスムーズですよねとも訴えますし、必要な予算があれば財政当局に一緒に働きかけましょうとも言っています。そして現場の先生がどう感じているのか、また福祉系の大学教授など専門家はどう考えているのか、私のまわりの市民はどう感じているのか、キャッチボールも進めています。

レポすけ:まさに「北風」と「太陽」(笑)
追求して「敵」を作るのではなく、協調して周りを巻き込んでいく。
それもまた「多様性」のあるべき姿、といったところでしょうか。
実に津曲さんらしいですね!

津曲:特別支援学級設置に熱心な自治体へのヒアリングや保護者自身との意見交換をさらに進めたいと思っています。ある近隣市の方は「保護者からの要望の積み上げの結果としてほぼ全ての小中学校に設置された。」とのことでした。本市は保護者から要望が出てこないということなのでしょうか。と見られがちですがそうではなく、障がいのある子どもを抱えた保護者の方は、申し訳ないとか面倒を見ていただいてありがたいと言った気持ちが強いんです。

レポすけ:「声」はあるんですね。

津曲:“なかなか声を上げにくい環境にある”、というのが現状かと思います。その声をしっかりと掘り下げていきたいです。特別支援学級を担えるスキルを持った教職員が少ないという課題はあるのですが、先行する千葉市ではこの夏も多くの教職員の方を大学で研修をさせています。誰かが悪いとか、できない理由を考えるのではなくて、できるためにはどうすれば良いのか、子ども達にとってベターなことは何なのか、を追い求めていきたいと思います。

レポすけ:政策以外に、今後、津曲さんがやってみたい、挑戦したいと思うことはどうですか。

津曲:せっかく今回、6976票、60人2番目として当選させていただきましたので、より大きな選挙を狙っていきたいと公言していきたいと思います。

レポすけ:おお!「津曲、大きな選挙目指すってよ」ですね!

津曲:自分が望むか望まないかではなく、期待に応えていくというのも大切なことかと思います。それから議員としてでもありませんし、簡単な事でもありませんが、障がい者グループホームや虐待を受けた子ども達を受け入れるファミリーホームなど福祉事業そのものをやりたい夢があります。そのためには現場の経験を積みたいですし、社会福祉士の資格取得にもチャレンジしたいです。

レポすけ:すご!ここからさらに資格取得にもチャレンジとか!

津曲:同じ市議の皆さんでも社会福祉士の資格を取っている方もいて頭が下がります。地域のご相談毎は介護、医療、子育て、障がい、生活困窮と多種多様な福祉であり、家族問題でもあります。これをしっかりと受け止めるためにもソーシャルワークの技量を高める必要性を感じます。今は自治会、商店会、青少年相談員、地区社会福祉協議会と求められるがままに役員をやっています。これらは現場の声を地域の声を感じ市政に反映するためでもありますが、少々忙し過ぎるかなとも思っています。船橋市議会は近隣市に比べても議会も長く、活発です。政党活動も支えなくてはいけません。まだ遊んでくれる小学生の子ども達との家族の時間も大切にしたいし…。現状、まだまだ取り組めていません。自分自身もできない理由をならべるのではなくて、できるためにはどうすれば良いのか、考えなくてはですね(笑)

レポすけ:津曲さん、選挙期間中仰ってたじゃないですか。
できるできないじゃなく『頑張るしかない!』って。坊ちゃんのお言葉でしたっけ?その言葉があればイケますって。やれますって(笑)

津曲:いや~(苦笑)自分自身の時間の使い方に優先順位を付けられないのに、限られた財源でどこに重点的に投資していくべきなのかと言っても説得力がありませんよね。でも、やるからには自分の時間の使い方を棚卸しし、今何が必要で何が必要でないのか、しっかりと整理をして新たなことに時間の投資をしていきたいと思います。私自身の働き方改革も必要ですね。

レポすけ:そうですね!ずいぶん長々と語っていただきましたが、チームつまがりは、これからも津曲さんの政治活動のサポート、応援、そしてツッコミをしていきますからね。全員、背後でハリセンもって(笑)
2年後、3年後、そして次の選挙も視野に入れ、今後もHPなどで「政治家 津曲俊明」の活動を追っかけます!

〇先日行ったカフェでの議会報告会・意見交換会
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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」