広報委員会にて参考人(有識者)招致

広報委員会では今後の広報広聴の改善の参考とするために、サイボウズ株式会社野水氏と川上元可児市議会議長からお話を伺いました。以下私なりに印象に残った点をまとめました。録画中継は全編こちらにアップされています
https://funabashi.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=4635

1. ソーシャル広報・広聴について
サイボウズ株式会社社長室フェロー 野水克也氏

スピード感のある分かり易いお話。キーワードは「広聴」

【お話の要旨】

  • 現代の広報とは広報広聴であり双方向性が重要。戦前の広報は教育格差があり知識を授けるという一方通行のもの。
  • 自分たちの伝えたいこと以上に、世の中で起きていること、話題になっていることの発信が重要
  • そこに自分たちの意見を加えていくことにより新しい人間関係ができてくる
  • SNSは広告ではなくコミュニケーションツールでありリレーションシップをつくるもの。
  • 話を聞くニーズを聴くだけでなく、それを元に3年先をビジョンを語る
  • 賛同者ではなく考える人を増やすことが重要ではないか。そして皆で考えて着地点を見出す。
  • 一緒に何かを組み立てるという市民協働へ
  • チェック機関よりも立法機関へ。議会は未来をつくるもの。行政は現在、立法は未来。

【主な質問と回答】

  • 50人いる議会でいろんな意見がある、だれがソーシャル広報に答えるのか。
    • 会派輪番制、曜日でまわしてはどうか。
  • 順繰り制にすると偏りが出るのではないか。
    • 純粋に客観的なものはあり得ないのではないか?議会に人格を持たせて統一的な見解ということはできないのではないか?主観が入らないものは無いし面白くないものは見ない。それぞれの意見を言うことでリングを見せる。結果として議会全体の意見となる。議会として伝えたいことと聞きたいことのギャップがある。上程前の話のほうが聞きたいだろう決まる前の議論のほうが参加した感がある。経過にフォーカスすべき。
  • 広聴についてどのような課題があると考えるか?
    • フィードバックがあるかないか、個別の要望について答えていないものの悪い積み重ねがあるだろう。アンケートや意見を言っても答えてくれないその結果行政・政治不信へとつながっていく。
  • 高齢者がそもそもソーシャルメディアに入るには?
    • IT嫌いは60代、70代が多いが、経験上70代後半はアレルギーが無くなる。まずは孫とのLINEというのが定石。市政と遠い若い世代とどう繋がるのか。世代間でも最もギャップがあるのが結婚観、子育て。上の世代の価値観を押し付けられるのが嫌なので参加しない。
  • 野水氏が広報委員であればどう取り組むか
    • ふなっしーと共同プレスリリース、議会放送をニコ生へ、だれからでもどこからでも突っ込める。チェック機関という監査役にとどまらずに理想を持ってのぞんで欲しい。

2. 広報・広聴について
可児市議会議員 川上文浩 元議長

可児市議会の取り組みは先進的で仰ぎ見るような存在です

【お話の要旨と主な質問と回答】

  • 600の議会の研修講師をしてきた
  • 未来への挑戦、議会は決めるところそして市民に説明をする責任がある
  • 選んだ政治が失敗したら最終的な責任は市民にある。議会も首長提案についてためらうことなく修正を
  • プロセスを示すことが大切
  • 市民の声が市議会に反映されていない94%という衝撃のアンケート結果。投票率を上げるには主権者教育が大事。
  • 議会報告会のワークショップ形式。報告会はいらない、対話集会、意見交換会、対話の構図が大事。予算の前での報告会をやって議会にのぞむ。議論のプロセス、熟議の内容が大事。議会が活性化して得をするのは市民。個人の意見を言うなではなく無制限。最後は議長が責任を持つ
  • 議会報告会では議長副議長はクレーム対応をする
  • アンケートについて、結果は良いものでは無いことの覚悟、行うこと、議会とはどうなんだと知ってもらう、結果を報告→フィードバックをもらうという政策サイクルが重要。
  • 参考人招致のような外部の知見の活用は極めて良い。船橋のようなところが引っ張って欲しい

3.つまがりの所感

今日いただいた話を広報委員会としてしっかりと活かしていきたい

外部の知見を取り入れていくことは井の中蛙とならないためにも大切なことだと思いました。今回のお二人に共通するキーワードは「未来」と「広聴」でした。行政が現在をつくるのであれば、議会は未来をつくるものという役割分担は斬新でした。

そして市民との信頼を創っていくためには一方的な広告・広報にとどまるのではなく、双方向性を持った対話型の広聴が重要であるということも共通していました。議員個人としても自分の取り組みを反省し改善しなければと思いました。

今後広報委員会としてもアンケートを実施すればフィードバックをきちんと行うなど双方向性のコミュニケーションについて議論を深めていきたいと思います。個人的には広報委員会から広聴広報委員会にまずは名前を変えても良いのではないかとも思いますがこれはあらためて議論をしていきたいです。

ご意見をお寄せください
つまがり俊明の政策・実績はこちら

この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」