先日、私立幼稚園振興大会で野田よしひこさんの挨拶を聞く機会がありました。
テーマは松下幸之助翁の「こけたら、立ちなはれ」「立ったら歩きなはれ」でした。今は常勝の野田さんもかつて105票差で敗れたそれが糧になったこと、今回の総理指名選挙でも敗れたが再起を期するとのお話しがありました。
幼児期からのレジリエンス教育、困難や逆境に直面したときに、それに打ちひしがれず、立ち直り、成長する力(レジリエンス)を育む教育についての話題がある流れの中のお話で場を捉えたものでした。
記録によれば、昭和9年の室戸台風で、移転したばかりの松下電器が大打撃を受けた時の言葉です。本社は一部損壊、乾電池工場と配線器具工場は全壊。見るも無残な状況だったと言います。工場長が案内しようとすると、松下幸之助は扇子を手に「いや、かめへん。こけたら立たなあかん。赤ん坊でもすぐ立つやろう」と静かに言い残し、被害を見ずに立ち去った。その言葉を合図に、社員たちはすぐ再建に動き出した。数日後、幸之助は幹部を集め、「会社も個人も被害を受けたが、取引先も同じ苦境にある。共に頑張ってきた仲間として、お見舞金を届けよう」と提案した。被害の程度に応じて見舞金が用意され、社員たちは泥に覆われた市内へ散っていったとのことです。
「成功の要諦は成功するまで続けるところにある」という松下幸之助翁の言葉にも通ずるものがありますが、諦めが悪いというのも人生において大切なことかもしれないと思いました。


