北千住にある足立学園にお邪魔しました。私立の中高男子校です。当初、この地域に公立の高校を誘致していましたが自治体の動きが鈍く、1929年千住の22人の有志が立ち上がり、地域の皆さんの志により開校された学校です。
志を立てる教育を大切にされていて、私の出身団体である松下政経塾にも学生さんが定期的に来るなど交流があります。
そんなご縁もあり、松下政経塾の先輩方10名ほどでこの学校を訪れました。
40年前は怖いバンカラの学校とも言われていたそうですが、その後学力向上に力を入れて大学進学実績をあげてきました。
しかし、大学に行く事がゴールになってしまい、行ったら何もできなくなってしまう子どもたちを見て、志を一緒に育てる教育に力を入れています。人のために何かをしたいというのが成長を促すといい、アフリカでのスタディツアーに行ったある生徒は、仲間が現地の水に当たり、海外の医師に助けてもらった経験を通して、医師になってこの医療機関で働きたいと歩みを続けているといいます。将来の目的・目標にとどまらずに、自尊心を高め、自信が高まると誰かのために何かをしたくなる、自分を高め他の人のため社会のために貢献していく人材育成にチャレンジしていることを感じました。
また、大学生になったOBが学校に戻って来て、夏期講習などで後輩指導を行っています。これは後輩たちに将来のモデルを示していくという良さもあると思います。
学校長がこれをやりたいという教育理念が教職員の皆さんにしっかりと浸透している強みを感じました。公立では異動が多く、なかなか特色のある学校づくりというのは難しい面もあると思います。社会が大きく変わる中、子ども達のために公立も私立も思い切った挑戦をしていただきたいと思います。