千葉県市川児童相談所を市議会の会派有志で訪問しました。

千葉県直轄の児童相談所は中央、市川、柏、銚子、東上総、君津の6か所であり、これとは別に政令市である千葉市は法定義務により独自に児童相談所を持っています。対応需要の増加により、これに加えて千葉県では松戸に新たな児童相談所を増設、さらに中核市である船橋市と柏市が独自の児童相談所設置に向けて準備を進めています。

市川児童相談所の担当エリアは市川・鎌ヶ谷・浦安そして船橋市になり、この児童相談所の業務が船橋市に順調に移管できるように、船橋市からも現在6名の職員を派遣して、職務やネットワークの蓄積を高めているとことです。

こうした中で、施設を訪問させていただき、現状を確認してきました。全国でも管内人口100万人を超える児童相談所があるような県は千葉県だけということで、これまでも恒常的にキャパシティをオーバーするような状況にあり、一例をあげると一時保護所で受け入れる子ども数が定員を超えるような状況にあります。

児童相談所というと虐待通報の対応や子どもの保護というイメージが強いですが、虐待相談以外にも障がい相談、非行・育成相談といった役割もあります。かつては障がいに関わる相談が一番多かったのですが、昨今は虐待相談が最も多くなっており、虐待などの養護相談が5:障がいの相談4:その他1という状況にあるとのことです。

このエリアの特徴としては、県南部や東部では母屋と離れのような距離でご近所に親族もいたりするので、親族の支援を頼りに支援を組み立てられるが、この地域は核家族が多く、なかなか孤立しやすい状況にもある事が見受けられました。

緊急避難的に一時保護という形で子どもを児童相談所で保護し、家族支援や医療・福祉的な支援や親子関係の再構築を図りますが、長い場合は半年を越える保護期間となる子どももいます。

子ども達が過ごす居室やリビングの様子を特別に見せていただきましたが、個室が不足気味で、10畳くらいの畳のお部屋に3人ほどのお子さんが雑魚寝をする形でした。

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もちろん見守りのために死角をつくらいないということがあるのでしょうが、船橋市の一時保護所では背の低いパーテーションを設置するなど、子ども達が人の目を比較的気にせずにほっとできるような時間や空間も必要ではないかと感じました。

また、現在各地で児童相談所の新増設が続き専門職の取り合いの状況で、成り手不足も大きな課題です。スタートアップ時だけでも市川児童相談所から船橋市に職員の方を派遣してもらいたいところですが、なかなかそうもいかない状況にあります。

対応に神経を使う仕事でもあり、今いる職員さんが心身ともに働けるようにメンタル的な支援も必要です。児童相談所内にも心理の専門家はいますが、小中学校のスクールカウンセラーのように働く側のケアをする存在も必要だと感じました。

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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」