増え続ける生活保護費

皆様こんにちは。今回は生活保護費の現状についてお伝えします。皆様からのご意見をお待ちしています。

最近、生活保護に関する報道が増えていますが、船橋の実態はどうなんですか?

結論から言いますと増えています。平成23年度ですと、5,680世帯、7,853人の市民の方が受給しており、総額は146億円です。これは平成20年度に比べると受給世帯、人数、額ともに1.4倍にもなっており、年々増え続けています。

市の決算額は約1,800億円、そのうちの民生費、いわゆる福祉にかかるお金は675億円。福祉の中でも生活保護費は約2割を占め、決して小さい額ではありません。

不正受給はどうなんですか?

報道で芸能人の親御さんに関するニュースが取り上げられ、全国的にも生活保護の不正受給が注目されてきました。残念ながら船橋にもあります。

平成23年ですと、161件、総額で1億円です。これは平成20年度に比べると約2倍です。一方でこれは不正受給自体が増えているというよりも、船橋市としてここ数年不正受給への対策を積極的に進めており、その成果が出てきたと私は分析しています。

悪質なものが多いのではないでしょうか?

中には船橋でもそういったものがあるのは事実です。悪質なものや不正受給額が高額なものは、現在船橋市の債権管理課において、訴訟対応も含めて厳正に対応しています。この対応は全国的にも注目されており全国から視察が来ています。

一方でそもそも生活保護というのは、基準を満たせば一律にお金を支給するというものではなく、働いていても、年金があっても、それでも足りない分を補足的に支給するものです。したがって生活保護を受けていたけど、働き出した。しかし、その収入を市に報告し忘れてしまったといったケースもこの不正受給の額や件数に含まれています。この件数すべてが、ニュース等で報じられているような悪質な不正受給ではないということには注意が必要です。

それでも何だか生活保護は不正受給が多いような気がします。

人口61万人の船橋で100人に1人生活保護を受けているわけですが、生活保護を受けている100人のうち2人。つまり1万人に2人ということ、これをどう感じるかは人によって違うでしょう。

船橋市議会でも様々な角度で取り上げられてきましたし、私たち健康福祉委員会でも不正受給の先進的取組み事例として、昨年大阪市を視察調査してきました。大阪市では17人に1人が生活保護を受けています。正直、環境が違い過ぎて大阪市の取組みはちょっと参考にはできませんでした。

なぜ増えているのですか?

景気の動向もありますが都市化・高齢化・低成長時代に入ってきたのが大きいと思います。生活保護受給者の大部分は高齢者で、生活保護費の内訳で最も多いのは生活や住居に対する給付ではなく医療扶助で全体の4割にもなります。このままですと急速に高齢化が進む都市部では生活保護費の増加は避けられません。また若年者の増加も見逃せません。

生活保護と年金の問題もありますし、国の制度の問題もありますが、市としてできる事はありますか?

あります。一つは生活保護世帯の子ども達に対する学習支援や就労支援を通して、貧困の連鎖を断っていくことです。また、若年者を中心に職業訓練や就労支援の機会をつくっていくことです。人口減少社会、グローバル化の時代に入り、セーフティネットのあり方も変化してきていると思います。不正受給を断じて許してはいけませんが、入口を厳しくして、例えば子どもを抱えるシングルマザーなど真に生活保護を必要としている市民を締め出してはいけません。受け入れは広く、受給すればその内容についてチェックは細かくしていくのが王道であると思います。


つまがり事務所リレー日記

女性シニアサポーター

船橋に移り住んで三十五年程になりますが、意外にも船橋のことを知らないと気付かされたのは、友人から紹介された津曲さんとの食事会や車座ミニ集会に参加した頃からでした。それで政治に無関心だった高齢者の私も少しではありますが関心を持つようになりました。遅すぎたかもしれませんね!!

私の周囲の方々の意見や、どんな些細な事でも聞いて下さるのが、何よりも嬉しいです。津曲さんの好きな言葉は「知行合一」とのこと。政治家にとって一番必要なことと思います。子供達、孫達、友人達、沢山の方々が、喜んで来てくれる船橋のために努めて下さる事を心より願ってます。

※知行合一=知ることと行動は表裏一体で、真に知ることは必ず実行を伴わなければならいということです。


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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」