障がい者雇用の行方 市民の6、7人に1人は当事者??

皆様こんにちは。議場にて障がい者雇用について度々取り上げさせていただいています。市内で障がいのあるは約3万人と言われています。そのご両親が健在だとすると、3万人+6万人=9万人が、まさに当事者です。船橋の人口は62万人ですから、実に市民の6、7人に1人です。ご家族、ご親戚、友人も含めるともっと身近なことです。

障がい者雇用法制の変化

障がい者の雇用を促進するために、昭和35年に障がい者雇用法制が制定されてから約60年が経ちます。近年大きな改正がなされ、平成年度から障がい者を雇用しなければいけない対象企業が拡大されました。例えば100人規模の会社であれば、2人は障がい者を雇いましょうということです。

達成できない企業は国の関係団体に納付金を納めなければいけませんし、企業のCSRやイメージにも関わってきます。しかし、現実には半数程度の企業が未達成であり、船橋市内でも159社のうち71社が未達成です。

努力をしている企業も多いのですが、軽度の障がいの方は既に雇用されている、デスクワーク中心など企業の業態によってはなかなか適当な仕事が無いといった、ミスマッチも生じています。

法定雇用率達成企業の割合など

市内の障がい者雇用の現状

船橋市としても経済部を中心に、障がい者の雇用先、職業体験先の開拓などに力を入れてきましたが、なにぶん受け入れ先あっての話しです。政治や行政の力だけでは限界があり、各企業や職場の協力が必要です。

先日、障がい者雇用のために、企業向けに貸し農園を運営している友人のもとを訪問しました。定着率はほぼ100%ということで、農業と障がい者雇用の相性の良さを感じました。

いずれにしても、その人、個人の特性に合わせた職業訓練と新たな就労先が求められています。もちろん重度の障がいがあり、働くことが困難な人もいますが、選択肢を増やしていくことが大切です。

つまがりの考え「就労支援から新しい福祉へ」

大学生時代、学校近くで障がいのある子供達と一緒に遊ぶボランティアをしていました。ボランティアをする前の私には少なからず「偏見」があったと思います。

しかし、一緒に公園に散歩に行ったり、ボール遊びをしたり、雨が降れば屋内でスライムやお菓子作りをしたり、夏は内房の海でキャンプをしたり同じ時間を過ごす中で、表現方法が違うだけで、1人の人間として健常者と障がい者は一緒なのだということを体感しました。

これから、就労人口が減っていく中で女性やシルバーの方々の就労が大切になってくるのと同じように、障がい者の雇用が社会全体にとっても大切になってきます。これから会社やお店やご近所で障がい者の方に会う機会も増えてくるでしょう。

私も朝夕と駅に立っていますと、思った以上に障がいのある方々と出会ったり、話しかけられたりします。超高齢社会になって、身体の介護や認知症になっていく人が増えています。

例え今は障がいがなくても、年を重ねれば誰もが支援を受けながら、ハンディを抱えながら生活する可能性があるということです。障がいのある方やご家族が住み易いまちは、すべての市民にとっても住み易いまちです。

2020年パラリンピックで千葉県内に海外から多くの方々が訪れます。その際に船橋が障がい者施策に対してどう向き合っているのかが世界から問われることになります。

誰もが尊厳ある自立した生活をしていくため、社会参加・経済的な自立という点からも、障がい者雇用を突破口に、若者・女性・シルバーなど市の雇用・就労分野に力を入れていきたいところです。


教えて!つまがりさん!

昔からの友人が議員さんになってから年賀状が来なくなりました。偉くなっちゃったからですかねえ?

公職選挙法第147条の2に「年賀状などの禁止」ということが明確に定められています。これは資金力がある人とない人とで不公平にならないようにということで定められたとされています。

ただ、議会報告の会報はセーフであるとか、いただいた年賀状に対して自筆で返信するのは良いとか、いろいろと不思議な規定です。議会人は条例などルールを作る立場にもありますので、自ら襟を正して今のルールを順守することは当然です。社会の儀礼上、通常ならするべき習慣ができないこと、また公職にそういった制限が多いことが世間一般に知られていないことは悩ましいことです。

インターネットでの選挙活動も認められていく中で、現実に合わせたルールの在り方が求められるのではないでしょうか。


つまがり事務所リレー日記

障がい者と共に 「くらす」「はたらく」

障がいがある人の中でも知的障がい者、精神障がい者、発達障がい者の方の就労は難しい課題でした。全国的にみれば、障がい者雇用の達成率が最も高いのが山口県です。ユニクロの本社があるからです。

最近、一般企業との間で正規の雇用契約を結んで企業の社員となることを支援する事業所が増えていることで、「はたらく」環境が整備されつつあります。千葉県内では農業で脚光を浴びる事業所もあります。

私が関わっている施設は、船橋市の北部にあり知的障がい者の方が多く、主に「くらす」を支援していますが、「はたらく」ことも大切なことだと考えています。障がいがあっても「働きたい」「人の役に立ちたい」との想いが強い人もいますので「くらす」「はたらく」の環境を整えることは大切です。ないものを探すよりもあるのもを活かし、その人らしい自己実現をサポートしていきたいと考えています。


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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」