保健所職員へのメンタルケアの必要性

元行政マンである自分は自分が行政マンならこれくらいまできるという基準で考えるため、日頃は市の職員の皆さんから厳しいなと見られてきたと思います。平時に負荷をかけて鍛えられていないと、非常時の外部からのプレッシャーに耐えられないためです。今は非常時ですので、むしろ、できたことを讃えるように気をつけています。
それは市の職員の皆さんが疲弊しては、市民の安全・安心が守れなくなるからです。

保健所への連日の怒声に対する報道です。
www.asahi.com

有料記事で途中までですが、こういったものが表に出るようになって良かったです。
保健所の職員の方々も人間です。長期の激務で心身ともにすり減っています。

2020年9~11月の東北大による保健所職員を対象とした調査に関する報道によれば、「最もハイリスク者が多かった指標は不眠症状で、全体の約70%に上った。心理的苦痛(約57%)心的外傷後ストレス障害(PTSD、約46%)が続いた。
抑うつ状態(約32%)不安症状(約17%)飲酒問題(約18%)もあり、ハイリスク者の割合は最前線で治療に当たる医療従事者に匹敵する高さだった。」とのことです。
kahoku.news

災害対応時、住民からやり場のない不満が行政職員に向けられメンタル的に追い込まれていったということを教訓にする必要があります。感染症の影響下、コロナ禍というのは、目に見えない災害がずっと続いている状況下と言えます。住民の不安が大きいことはもちろんですが、対応にあたっているエッセンシャルワーカー、行政職員などの公的役割の疲弊は予想以上です。

東日本大震災時の教訓も活かしていきたい

こういった中で、住民の皆さんから私たち議員への問合せや相談は増えています。行政と異なり、24時間、土日も可能な事も背景にあるでしょう。怒りの感情をぶつけるケースも増えています。市民の方にとっては行政と議員が別々の組織で役割が異なることは知らない方も多いので、行政がやっている不備と思われることを追及されるケースもあります。しかし、それを右から左に行政に流し、一緒になって行政にぶつけるのみでは議員の役割を果たしていません。

かつて、私がぴかぴかの新人議員であった頃に議長経験のある会派の長老議員から、「議員は市民からの相談に真摯に耳を傾け、行政をただすべき時にたださなくてはいけない。だけども、時に市民にそれは違うのですよねと説得して留めたり、現状を理解してもらう役割も担わなくてはいけない。」といった言葉かけられたことが今でも印象に残っています。

支援者側が疲弊し、バーンアウトするのは福祉の現場でもよく起こることです。
災害や感染症禍の中では多くの人が不安の中にあります。6月16日現在、新規陽性者は減り、ワクチン接種も進んで事態は好転しています。

ですが、まんえん防止・緊急事態が解除されれば、当然どこかでリバウンドが来ることが予測されます。第5波への備えを今からしなくてはいけません。メンタルケアの必要性について次回の議会で取り上げたいと思います。

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この記事を書いた人

つまがり俊明

1977年6月生れ / 船橋市出身 三咲小→御滝中→鎌ヶ谷高校→明大→ベンチャー企業→総務省→神奈川県庁→松下政経塾→船橋市議会議員

~多様性を力に変えていく社会へ~ モットーは「着眼大局着手小局」