先日、ひろゆき氏がXで「30歳までに6か月間、介護職に就くことを義務化してはどうか」と発信し、ネット上でさまざまな議論が起きています。
私の子どももひろゆきファンですが、影響力のある民間の立場の方が介護について問題提起をしてくれること自体、とても意義深いことだと感じています。
私は障がい分野で1年、高齢者介護分野で半年ほど現場に関わってきた立場ですが、そこで感じたことを少し整理してみたいと思います。
まず、年齢や立場を問わず、アルバイトでもよいので一度は介護現場を経験することには大きな意味があります。特に男性にとっては貴重な学びの場になると感じます。
介護は在宅でも施設でも「生活の現場」です。入浴・食事・排泄といった三大介護だけでなく、掃除や食事の準備、片付けなど、日常生活を支える家事スキルが自然と身につきます。
共働き世帯が当たり前となり、生涯一人で暮らす人も増える時代において、自分の生活を自分で完結できる力を養うことは、将来への大きな備えになります。
また、多くの人と関わる仕事であるため、言葉だけに頼らない非言語コミュニケーションを含め、対人関係の力が鍛えられます。身体介護は一定の研修を受けなければ難しい部分もありますが、それでも現場を「知っているか、いないか」の差は非常に大きいと実感します。
現在、介護サービス利用者の約7割が女性です。女性のほうが長寿であることに加え、男性は介護サービスの利用をためらい、結果として妻や子どもが限界まで在宅介護を担うケースが少なくありません。
施設入所者の多くも女性であり、子育てや夫の介護を終えた後、ようやく一息つける場所が介護施設なのだと感じる場面もあります。
人をケアしてきた経験のある人と、そうでない人とでは、介護を受ける側になった時の理解にも差が生まれます。人口減少の中で人材が限られる日本において、ダブルワークやアルバイトを含め、多様な人が介護に関わることは、人材確保だけでなく、将来自分自身が介護を受ける立場になった時の大きな財産になると思います。
